フロントフォークを分解しましょう。
オイル状態は”並”程度の汚れですね。本当に近年のフォークは動きも良いですが汚れも少ない。非常に良いクリアランスで内部が保たれている事がわかります。
昔から私はフォークキャップは緩めるだけでボトムケースを先に抜いてしまう方法。まぁ色々な意味で失敗が少ないのです。
発色の良いオイルロックピース。あまり膨張しなさそうで良さげですね。
ボトムケース内寸も確認。まぁ計測してもそこまで減っている個体はありません。
磨耗を確認するより外部からの衝撃による凹みを調べている感じでしょうか・・・
寸法を確認し知っておけばなにか問題発生時に確認項目が減りますし、分解時にしか知れないのであればその時に知っておかないと後悔します。
計測しても性能はなにも変わりませんが今後の安心度が増します。結果安全に繫がると思っております。
インナーチューブ外径/メタル寸法も確認しておきます。メッキが剥がれる位でも寸法は驚く程変わりません。新品を取り寄せてその状態より細い場合もあります。
オイルシールから漏れるのは”シール劣化・異物混入・潤滑不良やメッキ劣化”が主な原因であると思います。常にどこまで部品を使い倒せるか悩んでおります。
”これで漏れたらインナーチューブ諦めてください”といつも伝えております。
”低フリクション=オイルシール減り辛い=インナーチューブも減らない=お金も減らない”と言う事です。不思議な材質のシールです。
元はこんな状態です。
どう見ても新品にしか見えません。実に気持ちが良いのはオーナーだけではありませんね。
時は流れ・・・・ホイールベアリング交換致します。此方も実に状態良かったです。
よくどの位で交換すべきでしょうか?と言う問いに
”使えるから限界まで使用すると言う発想もあり” ”仮に10万キロ乗るとして3万キロ毎に交換しても3回しか交換しません。その都度気持ち良い方がプラスでは?”とも提案しております。
バイクのホイールはこの図の様になっております。片側ベアリングは必ず底つかない事がわかります。
相変わらず間違えているマニュアル。リア×→フロント。抜いて入替えるだけでは無くベアリング・ディスタンスカラー位置関係もしっかりし組み付けてあげれば本来の性能になると思います。(ちなみに格段に良くなりません。至って一般的になる筈です。)
そうそう減るものでもありませんがここで計測しておきましょう。
曖昧な計測で恐縮です。そこ面からでいいのか?と突っ込まないでください。確実であればディスク外してその面からですよね・・・まぁ同じと仮定し1MM、弱調整幅があります。ここがホイールベアリングの調整域です。
ベアリングは必ず非接触両面シール。理由はグリスが逃げ辛い=良い状態の寿命が長いです。
この状態でシール効き具合を確認しておきましょう。このシールが滅茶苦茶効く必要もありません。奥からエンジンオイルが出てくる訳でもありません。水や異物が最低限入らなければOK。OFF車は別ですよ。大体がシールにアタリ付く前にカラーが減ります。それほどキツくシールは強いと言う事ですね。予め砥石で初期馴染みしておきます。
金属とゴムは密着し易いので油分を塗って今後のベアリング調整の時に備えておきます。
リップ内にも油分を入れてあげるとより効果的です。
これでより通常状態に近い作動になったと思います。
特別に驚く程のパフォーマンスが出る作業を行なっておりません。皆様、悪い状態からですと、とても良くなったと勘違いしがちですが”悪い~通常までの伸びシロが多かった”だけの事。
0.1%を積み重ねて積み重ねて1%、5%と言う効果が得れるのだと思います。オカルトは存在しませんし、メーカーが販売したものを後々時間掛けて地味に手組みしている、そんな事だと思っております。